相模原市緑区藤野地区から発信!

人口 8千人の藤野地区( 旧津久井郡藤野町 )では、地場産業の減少に伴う人口の流出や加速化する高齢化社会に直面しています。それにより1人暮らしで引きこもり高齢者の増加や医療費の増加、地域社会との関わりを持つ社会参加の場が減少しています。そして、荒廃した森林面積の増大による自然現象( 台風・豪雨・豪雪 )に伴う深刻な自然災害の増加が起きています。この状況を改善しない限り、この町としての未来は閉ざされていく可能性があります。

この藤野地区は 5,000 ha 以上の森林面積を有し、神奈川県民 920万人及び 20万企業を支える巨大な水源地( 水瓶 )の1つです。

そして、交通面にも恵まれており、JR・高速道路・国道20号線( 甲州街道 )・県道市道と言った多種多様なアクセス経路が充実しています。そのため、都市部からのアクセスが容易に出来る場所にあります。

古来より、人間は森林と寄り添い森林からの恩恵を受けながら生きてきました。この藤野地区も炭の生産地として栄え、多くの生産物は陣馬街道を通り八王子市の恩方方面へ運ばれていきました。この循環プロセスにより、森林は若返りを続け我々に木材生産以外の様々な恩恵も与えてくれました。また、絶えず人間が山林へ立ち入る事で、野生の獣も人間の領域には立ち入る事なくバランスが保たれていました。

しかし近年、放置された森林の増加により、山林は荒れ果ててケモノも食べ物を求めて人間の生活領域へ立ち入る様になり、様々な問題が表面化しはじめています。

本来、森林には木材の生産以外にも様々な機能を持ち合わせている筈です。例えば、思い出してみてください。子供の頃の遊び場だったのは、森林だった事を。まだ道路が整備されていない頃は、山の中に張り巡らされていた道を使って、近道していた事を。春には山菜、秋にはキノコ等が食卓にのぼっていた事を。

そう!森林には古来から持ち合わせていた多面的機能があります。その機能を十全に発揮されるためには、一体的な集約化森林整備施業が求められます。さらに、この活動を通じて地域全体が元気となり、明るい未来を築ける様な取り組みを、今、ここで立ち上げなければいけません。

そこで、我々「 さがみ育林プロジェクト 」では、森林整備を核としたネットワークの構築を考案し実施していきます。単なる森林整備では、終わらない森林の物語を始めていきましょう!